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【スパロボY参戦作品紹介】劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ:新システムと相性バッチリなワルキューレの活躍に期待。絶対に再現してほしいカナメの名シーンはどうなる?【スーパーロボット大戦Y】

文:米澤崇史

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 『スーパーロボット大戦Y(スパロボY)』に参戦する作品を紹介。連載第2回は『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』について語ります。

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 2025年8月28日にバンダイナムコエンターテインメントから発売予定の、シミュレーションRPG『スーパーロボット大戦』シリーズ最新作となる『スーパーロボット大戦Y』。機体のみのものも含め、21作品が本作に参戦します。


 『スーパーロボット大戦30』から数えると(間にDLCや追加ストーリーはありましたが)、4年弱ぶりのコンシューマ向け『スパロボ』ということで、久しぶりにワクワクしているシリーズファンも多いのではないでしょうか(もちろん筆者もその一人)。

 『スパロボ』でまったく知らない作品に触れる……というのも、勿論立派な楽しみ方の一つではあるんですが、ある程度作品の知識があったり、原作を見たことがあれば、「こんなクロスオーバーを仕込んできたか」みたいな感動を得られたりするのも、『スパロボ』ならではの魅力。

 そこでこの連載では、『スパロボY』に向けての予習・復習を兼ねて、参戦作品についての大まかなあらすじや、『スパロボY』での注目ポイントを紹介していきます。

 なお、核心に触れるようなものは避けますが、
ある程度の作品のネタバレを含む内容となっているので、未視聴の場合はご注意ください。

『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』とは【スパロボY参戦作品紹介】


 『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』は、2018年2月9日に公開された劇場アニメ。今回の『スパロボY』に機体のみで同時参戦を果たしている『マクロスΔ』(こちらは2016年放送)を再構成した映画となっています。


 『マクロス』シリーズとしては7作目にあたり、『マクロスF』からは8年後の西暦2067年の世界が描かれます。

 『マクロスΔ』自体は、スマートフォン向けに配信されていた『スーパーロボット大戦X-Ω』に期間限定参戦を果たしていますが、コンシューマ向けの『スパロボ』には今回が初めての参戦。

 『スパロボ』には常連といってもいい『マクロス』シリーズですが、『X-Ω』を除くと最後の参戦は2015年の『スーパーロボット大戦BX』まで遡ることになり、実に10年ぶりの『スパロボ』参戦に。

 正直、もっと早期に『スパロボ』に出るものだと思っていたのもあって、発表された時は「ようやく来たか……!」みたいな気持ちになったのを覚えています。


 そんな『マクロスΔ』の物語の軸になるのが、銀河辺境のブリージンガル球状星団にて突如発生した奇病“ヴァールシンドローム”。

 ヴァールシンドロームにかかった人々は突如として理性を失って暴走し、凶暴化するという危険な病で、発症原因は不明。特効薬もなく、唯一効果的だとされるのが“フォールドレセプター”と呼ばれる特殊な因子を持つ人間の歌声でした。

 そこで星間複合企業体・ケイオスが結成したのが、フォールドレセプターを持つ少女たちで構成された戦術音楽ユニットである“ワルキューレ”です。

 ワルキューレの面々の歌にはヴァール化した人々を沈静化する効果があり、ケイオスの可変戦闘機部隊であるΔ(デルタ)小隊と共に各地でヴァールの鎮圧にあたっています。

 そんな中、Δ小隊の一員であるハヤテ・インメルマンと、ワルキューレに憧れる少女フレイア・ヴィオンは運命的な出会いを果たし、フォールドレセプターの所持者であることが判明したフレイヤは、憧れのワルキューレに選ばれます。


 ワルキューレの一員として活動を始めたフレイアでしたが、故郷である惑星ウィンダミアの王政国家であるウィンダミア王国が新統合政府へと宣戦を布告。

 戦力で上回る新統合政府に対抗するため、ウィンダミア王国はヴァールシンドロームによるマインドコントロール技術を開発しており、ハヤテやフレイアたちはヴァールシンドロームを巡る戦いに巻き込まれていくことになる……というのが主なあらすじ。

 なお冒頭でも説明した通り、『激情のワルキューレ』はTV版を再構成した作品ですが、TV版では主人公のハヤテは最初民間人だったのが、『激情のワルキューレ』では物語開始時点からケイオスに所属する新米パイロットになっていたり、TV版だと終盤まで明かされなかったワルキューレ結成のエピソードが序盤で早々に描かれたりと、ストーリーの時系列も一部シャッフルされていてほぼ別物と言ってもいいほど設定や構成が変わっています。

 このあたりの大胆な再構成はTV版『超時空要塞マクロス』と『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の関係から続く『マクロス』シリーズの恒例ではありますが、もし片方しか見ていないという方がいたら、是非両方を視聴することをオススメします。

■『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』を見る

ワルキューレの楽曲をBGMに戦闘アニメを眺める楽しみ【スパロボY参戦作品紹介】


 やっぱりなんといっても注目は、美雲・ギンヌメール、フレイア・ヴィオン、カナメ・バッカニア、マキナ・中島、レイナ・プラウラーの5人よる戦術音楽ユニット“ワルキューレ”の活躍と楽曲かなと。

 戦いを歌で止める“歌姫”の存在は『マクロス』シリーズの伝統ですが、戦術音楽ユニットという名前からも分かる通り、娯楽ではなく戦いのために結成されたユニットというのが独自のポイント。

 ヴァール化を沈静化するには録音では効果が薄いとされており、発症者に直接生の歌を聞かせなければならないため、バルキリーと共に最前線でライブを行う必要があります。ライブの最中に攻撃が飛んでくることも日常茶飯事で、メンバーは文字通り命を懸けてステージに立っています。

 そのため、バルキリーの戦闘シーンとワルキューレのライブが一体化した演出が『マクロスΔ』の特徴でもあり、アニメでは戦闘シーンでこれでもかというくらいワルキューレの楽曲が使われていて、シーンをこれ以上なく盛り上げてくれます。

 いわゆる歌が流れることでテンションが上がるのって、『スパロボ』シリーズの戦闘アニメでも共通している点で、『一度だけの恋なら』や『いけないボーダーライン』をBGMにしてVF-31 ジークフリードの戦闘アニメを見るだけで、めちゃくちゃ脳汁が出まくるだろうなと。

 今回の『スパロボY』でもオフボーカルのアレンジBGMではなく、ボーカル付きの原曲をゲーム内で流せるプレミアムサウンド&データパックが発売されるので、ボーカル付きのワルキューレの楽曲をゲーム内で堪能できるのが楽しみすぎます。


 また、今回はロボットに乗らないキャラクターがバフや回復などの効果を発動してくれるという新システム“アシストリンク”が存在することも明かされています。

 これ以上なくワルキューレにピッタリなシステムなので、おそらくワルキューレの面々がアシストリンクのメンバーで加入する可能性は非常に高いはず。歴代の歌姫のなかでも、自軍と一緒に戦っている感を味わえそうです。

 ちょっと余談ながら、ワルキューレのなかの個人的な推しが、チーム最年長でリーダーも務めているカナメ・バッカニアでして、本当に良いキャラなんですね。

 元々は売れないアイドルとして活動していて、美雲がまだいなかったワルキューレがメジャーになる前の時代にはセンターを務め、苦難につぐ苦難を乗り越えてきたという苦労人。今までの『マクロス』の歌姫にはいなかったタイプの、思わず感情移入してしまうタイプの歌姫ヒロインでした。


 『マクロスΔ』を語る上でも絶対に欠かせない、“死神”の異名を持つΔ小隊のエース、メッサー・イーレフェルトとカナメのエピソードは、『スパロボY』ではどんな形で描かれるのかという点も本当に楽しみ。


 ネタバレになるので詳しくは言及できないのですが、おそらく原作を見たファンの相当な割合が、あのシーンへのいろんな期待を『スパロボY』に向けているんじゃないかなと。あのシーンであの曲が流れた瞬間、自分の情緒が大変なことになるのは既に確信しています。

 『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』の紹介はこの辺りで。今後も『スパロボY』の作品を引き続き紹介していく予定ですので、お楽しみに!

■『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』を見る

『スパロボY』参戦作品紹介バックナンバー


米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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